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投資・副業の勧誘について、元・売る側が返事を書く往復書簡です。回答:峰岸 修(元・金融商品営業 25年)

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相談No.27

「タモリさん推薦」の投資広告に登録してしまいました——Ronevaki(ロネバキ)の件

受付 4月20日回答 2026年4月29日相談者:60代男性

いただいた相談

峰岸様。お世話になります。退職後の資産づくりに関心があり、ネットの記事を読んでいたところ、タモリさんが投資ソフトを勧めているという広告ページを見ました。「Ronevaki(ロネバキ)」という海外のプラットフォームで、「世界で最もインテリジェントな仮想通貨ソフトウェアで毎日135,000円から325,000円を稼ごう」と書いてありました。長年テレビで見てきた方の写真と、「私はこのプラットフォームを数年間利用しています」という推薦の言葉があり、つい信用して、名前とメールアドレス、携帯番号を登録してしまいました。

すると翌日、「担当マネージャー」を名乗る方から電話があり、日本語は丁寧なのですがどこか不自然で、「まずは3万円の入金で口座を有効化しましょう」と言われました。その日は保留にしましたが、以来、毎日のように電話とメールが来ます。妻には話していません。タモリさんが勧めているのだから大丈夫だろうという気持ちと、何かおかしいという気持ちの間で揺れています。お金はまだ払っていません。

――60代男性(無職・元会社員)

※相談内容は、いただいたお便りをもとに、個人が特定できない形へ再構成しています。

峰岸からの返事

峰岸です。まだ払っていない。よし。それなら間に合っています。

結論から言いますよ。入金しない。電話に出ない。縁を切る。この3つです。順に理由を書きます。

先に言います。タモリさんは、おそらく無関係です

広告には肩書付きの写真と推薦の言葉が載っていますが、ご本人がこのサービスに関与・推薦した事実は確認できません。有名人の顔と名前を勝手に使う「なりすまし型」の広告、消費者庁が増加傾向にあると注意喚起しているとおり、いまや投資詐欺の定番の入口です。

つまりですね。被害者になりかけているのは、あなたと、名前を使われたご本人の両方なんです。広告にはほかにも、顔写真と星5つ付きの「体験談」が並んでいたはずですが、その人たちが実在して本当に利益を得たことを裏付けるものも、見つかりません。

テレビで見てきた顔は、もう信用の判断材料に使えない。残念ですが、そういう時代です。

で、肝心の運営元。名乗ってないんですよ

このサイトを確認しましたが、運営会社名・住所・電話番号・特定商取引法の表記が一切ありません。あるのはサイトの名前だけ。

ここで公的なルールをひとつ。海外の業者であっても、日本の居住者を相手に金融商品取引を業として行うには登録が必要だと、金融庁が明記しています金融庁の無登録業者への警告一覧にこの名称は見当たりませんでしたが、会社名を名乗らない相手には警告の出しようがないわけで、載っていないことは安全の証明にまったくなりません。

お金を預けさせようとしているのに、誰なのか名乗らない。本来ね、この一点だけで話を終わりにしていい案件です。

売る側の理屈で読むと、こうなる

広告が網で、電話が刈り取りです。あの登録フォームの本当の目的は、あなたの電話番号でした。

「まず3万円で口座を有効化」の3万円はね、売上じゃありません。釣り餌の追加です。入金すれば、画面の残高は景気よく増えていくはずです。ただ、ああいう画面の数字は運用の結果じゃなく、運営が表示したい数字です。裏付けの資産がどこかに保管されている保証は何もない。

本番は、出金を申し出た瞬間です。「税金」「手数料」「凍結解除」。事前に説明のなかった請求が始まるのが、この型の台本の終盤です。

毎日電話が来る理由も言っておきましょう。私の現役時代の言葉で言えば、あなたは名簿の上で「反応のあった、温まっている客」に分類されているからです。電話で話すほどその評価は上がり、電話は増えます。

それとね、冷静に考えてみてください。本当に毎日13万円を自動で稼げる仕組みがあるなら、広告費をかけて他人に教える理由がありません。

※「温まっている客」。嫌な言葉でしょう。私も昔、名簿にその印を付ける側でした。本当にすみません。

やることは4つです

  • 電話に出ない。出てしまったら「興味がありません」とだけ言って切る。説明も反論も不要です。
  • かかってきた番号は着信拒否、メールは受信拒否に。広告ページとやりとりの画面は、念のため保存を。
  • 今後どの電話・どのフォームにも、資産額や家族構成を答えない。渡した情報は取り返せませんが、これ以上太らせないことはできます。
  • 万一すでに入金してしまった場合は、警察相談専用電話(#9110)と振込先の金融機関へ。振り込め詐欺救済法という制度があり、口座の凍結が早ければ被害回復分配金を受けられる場合があります(金融庁の案内)。速さがすべてです。

もうひとつだけ。この後、「被害金を取り戻せます」という連絡が来ることがあります。登録者の名簿が出回るためでして、着手金を求める「回収業者」は二次被害と思ってください。

それから、奥様の件。「危ない広告に登録してしまったので、電話とお金の管理を一緒に固めたい」と、報告として話しておくことをお勧めします。家族に隠している状態は、向こうの台本に書いてある展開のひとつですから。返事は以上です。

峰岸 修
付記この回答を掲載した週、同じ広告と思われる相談がほかに2通届きました。同時期に同じ手口が集中するのは、広告の出稿が「キャンペーン」単位で動いているためです。これも売る側の都合です。

かかってくる電話の言い回しや金額が分かれば、台本のどの工程かはだいたい読めます。あなたの場合はどうか、という話は、LINEで聞かせてください。全部には返せませんが、全部読んではいます。

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