峰岸からの返事
峰岸です。先に言わせてください。借入の話が出た時点で電話を切ったご判断、満点です。
で、結論。LINEは無視で構いません。ただし、切る前にやることが少しだけある。順に行きます。
「何者なのか」。……それがね、調べても出てこないんですよ
ご質問の「この会社は何者か」。私も調べました。運営の法人名も所在地も、公的資料で特定できませんでした。相談者の方のお話と、ネット上に出ている同種の報告を突き合わせても、確かなことが分からない。
そのうえで、確認できる公的なルールをひとつ。日本の居住者を相手にFXに関わる業を行うには、金融商品取引業の登録が必要です(金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」)。金融庁が公表している無登録業者への警告リストに、この名称は見当たりませんでした。ただしこれ、「適法だ」という意味じゃありませんよ。あのリストは警告書を出した相手だけを載せるもので、正体を名乗らない相手には警告の出しようがない、とも言えるわけです。
整理しましょう。確定しているのは「誰だか分からない相手と、登録の確認が取れない取引の話をしている」という2点。詐欺と断定できる公的証拠は確認できません。でもね、判断にはこの2点で足ります。
勧誘の文句、金融庁が注意喚起している型そのまんまです
「自動売買ソフトを使えば、なにもしなくても儲かる」。この言い回し、金融庁が詐欺的な勧誘の典型例として名指しで注意喚起しています。SNSの広告からLINEへ誘導して投資話に持ち込む流れも、金融庁が手口としてまとめて警告しているとおり。国民生活センターも、LINE経由で無登録のFX自動売買へ勧誘されるトラブルを2024年に注意喚起しています。
「勝率90%超」という数字も、根拠を確認できるものは何もありませんでした。だいたいですね、本当に勝率9割の仕組みを持っている人は、それを数千円のマニュアルにして広告なんか打ちません。自分で回したほうが桁違いに儲かるんですから。
売る側の理屈で読むと、こうなる
数千円のマニュアルは、商品じゃありません。あれは名簿づくりと、「一度この相手に財布を開いた」という実績づくりです。広告で網を張って、少額でも払った人だけを電話に回す。電話口の「専属サポーター」の手元には台本があって、20万から200万までの階段は、あなたの反応を見ながら降りてくるための段差です。
で、借入の勧め。ここが今回の本丸です。私は25年売る側にいましたが、まっとうな金融商品の売り手は、客に消費者金融で借りさせてまで買わせることをしません。お客に合わない商品を売れば、こちらの商売ごと終わる。それが正規の世界の掟だからです。逆に言えばですよ。借入を勧めてくる売り手は、「あなたの返済がこの先どうなろうと構わない。回収はこの一回でいい」と宣言しているのと同じなんです。
「特別枠は今週まで」ね。はいはい、出ました。あれは考える時間を奪うための定型句で、来週になればまた「今週まで」の枠が湧いてきます。
※私の新人時代の電話営業の台本にも、商品は違えど「今週までの特別枠」がありました。毎週ありました。本当にすみません。
やること
- 追加で1円も払わない。借入は論外です。
- ブロックする前に、広告・販売ページ・LINEのやりとり・決済の記録をスクリーンショットで保全する。相手は騒ぎになるとアカウントごと消しますから。
- そのうえでLINEはブロック、電話は着信拒否に。
- マニュアル代をクレジットカードで払っていれば、カード会社にも経緯を伝えて相談を。
- 手口の情報として、警察相談専用電話(#9110)か消費者ホットライン(188)へ。金額の大小じゃありません。「無登録の投資勧誘で借入まで勧められた」という事実に、伝える価値があるんです。
数千円で台本の全貌が見えたのなら、安い見学料です。次は広告の段階で降りられますよ。返事は以上です。
峰岸 修