だい2かいめの講座・家族を守る
親が投資の話に乗りそうなとき、責めずに話すにはどうすれば?
先に言ってしまうと、家族を守るカギは「監視」じゃなくて「相談してもらえる関係」のほうなんですよね。「だまされないでね」と頭ごなしに言えば言うほど、人って心を閉ざして、困っても言い出せなくなります。責めない、見守る、一緒に考える。地味だけど、これがいちばんの防波堤になります。
「注意して」だけだと、なんで届かないのか
「自分は大丈夫」と思っている人に「気をつけてね」と言っても、なかなか自分ごとにならないんです。しかも、もうすでに勧誘を受けている場合だと、「家族に話したら反対されるな」と感じた時点で、かえって隠すようになってしまう。だから大事なのは、注意を促すことより先に、安心して打ち明けられる空気をつくっておくことなんだと思います。
- 否定から入らない(「なんでそんな話に乗るの」はだいたい逆効果)
- 本人の判断力を尊重する言い方を選ぶ
- 「困ったらいつでも聞くよ」を、普段からさらっと伝えておく
こういう変化はちょっと気にしてみる
急に「いい話があるんだ」と口数が増える、通帳や郵便物をあまり見せたがらない、知らない相手と頻繁に連絡している——こういう小さな変化が、早めに気づくきっかけになります。問い詰めるのではなく、まずは様子を見るくらいで。
角が立たない「声かけの型」
正面から問い詰めると、たいてい身構えられます。なので、自分の話として持ち出すのがコツです。
- 「最近こういう手口があるらしくて、私もあやうく引っかかりそうになったよ」
- 「一緒に確認したいんだけど、これってどういう仕組みなの?」
- 「決める前に、一回だけ私にも相談してくれると安心するな」
たとえばの話ですが。親が「友人に誘われた投資」を始めようとしているとき、「やめなよ」と言うより、「面白そうだね、どんな仕組みか一緒に見てみようか」と寄り添う形にしたほうが、本人も冷静に情報を見直しやすくなります。否定されると、人ってかえって意地になっちゃうものなので。
おすすめの“わが家ルール”
「お金を動かす前に、家族にひと言」を家のルールにしておくと、地味に効きます。本人だけを縛るんじゃなくて、家族全員に共通の習慣にするのがコツ。そうすると、誰の自尊心も傷つけずに済みます。
困った話を打ち明けられたら
もし不安な話を打ち明けてくれたら、まず本人を責めないこと。そのうえで「一緒に相談先へ行こう」と提案してみてください。公的な窓口に二人で行くだけでも、本人の安心感はずいぶん変わります。ひとりじゃないというだけで、踏み出しやすくなるんですよね。
この記事のまとめ
家族を守る最大の武器は、正論じゃなくて「相談しやすい関係」のほうです。否定せず、自分の話として伝えて、「お金を動かす前にひと言」を家のルールに。変化に気づいても責めずに寄り添って、必要なら一緒に相談先へ。結局、やさしさがいちばんの護身術になるんだと思います。
正しさより、やさしさが届くこともあります。今夜、ひと言だけ声をかけてみませんか。
この記事を書いた人:安田 守(やすだ まもる)
主宰/お金の先生
家計相談やマネー教育の現場で見てきた「あと一歩」の後悔を減らしたくて、お金の守り方を調べて記録しています。(※デモ用の架空の人物です)